5 min read2026-03-15楽しい回復
東京の水辺に、まだ知らない半日がある
天王洲アイル。運河とアートと倉庫リノベ。渋谷から20分で、全く違う東京に着く。
東京に何年住んでも、知らない場所がある。それは恥ずかしいことではなくて、むしろ東京の奥行きのようなものだと思う。天王洲アイルは、多くの人にとって「モノレールの駅名」くらいの認識だろう。品川から一駅。渋谷から20分。なのに、降りたことがある人は驚くほど少ない。
りんかい線の天王洲アイル駅を出て、まずPIGMENT TOKYOに向かう。建築家・隈研吾が設計した画材店。壁一面に、4,500色の顔料が並んでいる。瑠璃色、群青、胡粉、朱。色の名前を読むだけで、日本語の美しさに気づかされる。画材を買う予定はない。ただ、色彩を浴びに来た。それだけで十分に価値がある。
そこからTERRADA ART COMPLEXへ。倉庫をリノベーションしたギャラリーコンプレックスで、現代アートのギャラリーが入っている。入場無料のギャラリーをハシゴする贅沢は、天王洲ならでは。美術館のように混んでいないから、作品の前で立ち止まる時間も、自分で決められる。WHAT CAFEまで歩けば、アートに囲まれた空間でランチが食べられる。壁にかかった絵を見ながら食べるパスタは、味以上の体験がある。
食後は天王洲ボードウォークを歩く。運河沿いの木道で、対岸の倉庫街が見える。風が水の匂いを運んでくる。東京にいることを忘れる、とまでは言わないけれど、知っている東京とは少し違う東京がここにある。最後にT.Y.HARBORのテラスに座って、クラフトビールを頼む。運河に反射する午後の光を見ながら飲むビールは、居酒屋の生ビールとは全く別の飲み物だ。知らなかった東京を見つけた日は、少しだけ得をした気分になる。
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