6 min read2026-01-28回復静か
失恋直後の東京で、行っていい場所と行かない方がいい場所
カップルが多い場所は避ける。でも人がいないのも寂しい。そのバランス。
失恋した直後、部屋にいるのがいちばん辛い。相手の痕跡がそこらじゅうにある。でも外に出ても、カップルが目に入る。東京は残酷なほどカップルが多い街だ。行く場所を間違えると、傷口に塩を塗ることになる。だから、選ぶ街を間違えてはいけない。
まず避けたほうがいい場所。代官山、恵比寿、表参道。おしゃれなカップルの密度が高すぎる。井の頭公園のボート乗り場の周辺も危険だ。お台場は言うまでもない。渋谷のスクランブル交差点は、人が多すぎて逆に気にならないけれど、体力を消耗する。失恋直後に体力を使う場所は避けるべきだ。
行っていい場所は、ひとりでも浮かない場所。蔵前がいい。静かで、ひとり客が多くて、店主との距離が近い。Dandelion Chocolateでホットチョコレートを飲む。甘いものは、失恋の薬だ。科学的な根拠は知らないけれど、経験的にそうだ。Kakimoriでノートを一冊つくるのもいい。手を動かしている間は、余計なことを考えずに済む。
谷中もいい。カヤバ珈琲の2階の座敷で、ルシアンを飲みながら窓の外を見る。昭和の時間が流れている場所では、自分の悲しみも少しだけ相対化される。90年前からこの建物はここにあって、何人もの人が同じ席で何かを飲んできた。自分の失恋なんて、この建物にとっては一瞬の出来事だ。天王洲の運河沿いも悪くない。水を見ていると、気持ちが凪いでくる。PIGMENT TOKYOで4,500色の顔料を眺めるのもいい。色彩は、感情を上書きしてくれる。失恋直後の東京は、選ぶ場所さえ間違えなければ、回復装置になる。
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