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夕やけだんだんから始まる、谷中の正しい歩き方
5 min read2026-03-13楽しい回復

夕やけだんだんから始まる、谷中の正しい歩き方

この階段を下りたら、東京の時間の流れが変わる。

谷中を歩くなら、夕やけだんだんから始めるのが正しい。日暮里駅の西口を出て、御殿坂を下り、この階段の上に立つ。眼下に谷中銀座の商店街が見える。階段を一段ずつ下りると、東京の時間の流れが変わっていく。

谷中銀座を歩く。全長170メートルほどの短い商店街に、60軒ほどの店が並んでいる。惣菜屋のメンチカツ、煎餅屋の手焼きせんべい、猫の雑貨を集めた店。チェーン店がほとんどない。店先に座っている猫がいたりする。やなか健真堂に寄る。和の暮らしの道具を扱う小さな店で、手ぬぐいや和紙の小物が並んでいる。お土産というには日常的で、でも日常で使うには少しだけ特別。そのちょうどよさが、谷中らしい。

商店街を抜けたら、HAGISOへ。築60年以上の木造アパートをリノベーションしたカフェ・ギャラリー。1階でコーヒーを飲みながら、壁にかかったアート作品を眺める。谷中は古い街だけれど、HAGISOのような場所があるから、懐古趣味だけでは終わらない。過去と現在が、ちゃんと重なっている。

日が傾いてきたら、谷中ビアホールへ。築80年の古民家をリノベーションしたビアホールで、クラフトビールを飲む。木の柱と梁が見える店内で、冷えたIPAを傾ける。窓の外がオレンジ色に染まっていく。谷中の正しい歩き方とは、急がないこと。それだけで、いい半日が手に入る。